農業|営農型太陽光発電設備を設置するための農地の一時転用許可申請

農地転用許可を受けて太陽光発電設備を農地に設置する場合には、農地全体を転用して設置する方式と、農地に支柱を立てて営農を継続しながら発電する方式(営農型太陽光発電設備)とがあります。

営農型太陽光発電設備は、太陽光パネルの支柱を2メートル以上長いものにして設備の間隔を空け、その隙間から太陽光や雨を確保することで、太陽光パネルの下で農業を継続することができます。

農地に支柱を立てて、営農を継続しながら上部空間に太陽光発電設備等の発電設備を設置する場合には、パネルの支柱部分については、農地の一時転用許可が必要となります。

また、太陽光発電設備の設置者と農地所有者が異なる場合には、パネルの部分については、農地全体に対して区分地上権を設定するための農地法3条許可が必要になります。

この区分地上権等の設定にかかる農地法3条許可と支柱部分に対する一時転用許可の申請は同時に行なう必要があり、許可期間も同じ期間で設定されます。

一時転用許可期間

営農型太陽光発電設備の設置に伴う一時転用許可の期間は、通常は3年以内とされていますが、以下の場合には許可期間が10年以内となります。

許可期間が10年以内となる場合

下部の農地で、営農の適切な継続が見込まれる等の条件を満たしている場合であって、次のいずれかに該当する場合

  • 担い手が、自ら所有する農地又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する農地等を利用する場合
  • 遊休農地を再生利用する場合(再許可時を除く)
  • 第2種農地または第3種農地を利用する場合

一時転用許可の再許可

営農型太陽光発電設備の設置のための一時転用許可については、営農の適切な継続が確保されている場合には再度、一時転用許可を行うことが可能となっています。一時転用許可の期限到来後も事業を継続したい場合には、期限が到来する日までに再許可を得る必要があります。

なお、⾃然災害や営農者の病気等やむを得ない事情により、下部の農地の利用の程度が著しく劣っていることや下部の農地において単収が減少していること等が見られる年がある場合には、その事情及びその他の年の営農の状況を十分勘案して、再許可するかどうか判断されます。

行政書士しょうじ事務所では、農地転用の許可申請をはじめ、農業への新規参入や法人化(株式会社、合同会社の設立)のお手伝いなど、農業経営全般の支援をさせていただいております。お困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。