お酒の免許|お酒の免許を相続する手続き

酒類製造者(又は酒類販売業者)の免許を受けていた方が亡くなり、相続が発生した場合において、相続人の方がその製造業(又は販売業)を引き継ごうとする場合は、その製造場(又は販売場)の所在地の所轄税務署長に申告する必要があります。

たとえば、酒屋を営んでいた方が亡くなり、その子どもが跡を継ぐ場合に、相続人であるその子どもが一定の要件を満たしていれば、税務署に届出をすることで免許を引き継ぎ、酒屋の営業を続けることができます。

相続の場合には、通常の新規申請の場合に比べて要件が緩和されており、相続人が下表の欠格要件(酒税法第10条第1号から第3号まで及び第6号から第8号)に該当しない場合には、その相続人は、その相続のときにおいて、被相続人が受けていた酒類の製造免許(又は販売業免許)を受けたものとみなされます。

なお、欠格要件に該当するかどうかの判定は、相続開始の時(被相続人の死亡の時)に該当していたかどうかによります。

酒税法第10条欠格要件
第1号酒税法の免許又はアルコール事業法の許可を取り消された日から3年を経過していない場合
第2号法人の免許取消し等前1年内にその法人の業務執行役員であった者で、当該取消処分の日から3年を経過していない場合
第3号申請者が未成年者でその法定代理人が欠格事由(1、2、7~8号)に該当する場合
第4号申請者等が法人の場合で、その役員が欠格事由(1、2、7~8号)に該当する場合
第5号販売場の支配人が欠格事由(1、2、7~8号)に該当する場合
第6号免許の申請前2年内に、国税又は地方税の滞納処分を受けている場合
第7号国税・地方税に関する法令、酒類業組合法若しくはアルコール事業法の規定により罰金刑に処せられ、又は国税通則法等の規定により通告処分を受け、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日又はその通告の旨を履行した日から3年を経過していない場合
第7号の2二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律、風俗営業等適正化法(20歳未満の者に対する酒類の提供に係る部分に限る。)、暴力団員不当行為防止法、刑法(傷害、暴行、凶器準備集合、脅迫、背任等に限る。)暴力行為等処罰法により、罰金刑が処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過していない場合
第8号拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過していない場合
第10号破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない場合

製造業又は販売業をしようとする相続人が2人以上いる場合

申告をした相続人が2人以上いる場合で、その相続人全員が不適格者でないときは、その相続人全員の共同の製造免許等となります。

このように共同免許となった場合には、法律で規定する申告や承認申請の手続、通知の受理等については、共同免許者のうちの1人に委任させる必要があり、委任したときは委任の事実を証明する書類の提出が求められます。

酒類製造業または酒類販売業の相続申告では、次の書類が必要になります。

申告書類留意事項
相続申告書
戸籍謄本、戸籍抄本、不動産登記規則の規定により交付を受けた法定相続情報一覧図の写しのいずれか(複写したものを含む)被相続人及び他の相続人との続柄が明らかになるものを添付していること
酒類製造業(又は酒類販売業)免許の免許要件誓約書(酒税法10条の規定に該当しない旨)酒税法第10条第1号から第3号まで及び第6号から第8号までの規定に該当しない旨が誓約されていること
他の相続人の意思表示等次の事項が記載された書類を添付していること
(1) 相続人中に酒類又は酒母等の製造業(又は酒類販売業)を相続しない者がある場合には、その者が次の事項につき意思表示した書類「酒類・酒母・もろみ製造業の相続放棄書」(又は「酒類販売業の相続放棄書」)
① 酒類又は酒母等の製造(又は酒類の販売業)を相続しないこと。
② 申告する相続人が引き続いて酒類、酒母等の製造業(又は酒類の販売業)を営むことに異議がないこと。
③ 印鑑証明書又は運転免許証その他法律等の規定に基づき交付された書類であって本人であることを確認できるものの写し
(2) 包括遺贈のときは、その包括受遺を証明する書類の写し等
その他参考となるべき書類税務署長が審査段階で必要と認めた書類
相続の申告書チェック表・確認欄に○印を付して確認していること
・省略した書類について斜線を引いていること

行政書士しょうじ事務所は、お酒の小売・卸売・輸出・輸入などを始めたい方を対象に、酒類販売業免許申請の手続き支援を行っております。初回相談無料・全国対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。