ビザ・在留資格|外国人が日本に入国するための手続き
外国人の方が日本に入国するために必要な手続きについてお伝えしていきます。
在留資格認定証明書の交付申請
在留資格認定証明書は、日本に入国しようとする外国人の方が、日本で行おうとする活動内容がいずれかの在留資格(「短期滞在」および「永住者」を除く)に該当するものである等の上陸のための条件に適合していることを証明するものです。
交付された在留資格認定証明書は、在外公館における査証申請や上陸申請の際に提出・提示することにより、速やかに査証発給や上陸許可を受けることができます。
在外公館とは、外国にある日本の大使館、総領事館、政府代表部の総称で、外国と外交を行う上で重要な拠点です。
申請時期
入国以前に交付を受けることができるように、余裕をもって申請するようにします。
ただし、在留資格認定証明書の有効期限は発行日から3ヶ月なので、この3ヶ月の間に、在外公館で査証の発給を受け、日本へ入国しなければなりません。早く申請しすぎて、申請人の来日予定日の3ヶ月以上前に在留資格認定証明書が交付されてしまうと、来日までに有効期限が切れてしまうことになるので注意が必要です。
在外公館での査証(ビザ)取得
日本に上陸しようとする外国人は、原則として有効な旅券を所持していることのほかに、所持する旅券に在外公館が発給した有効な査証を所持していなければなりません(査証免除措置による入国を除く)。
在留資格認定証明書が交付されたあとは、日本に入国するための査証の発給をうけるために、本国または居住権をもつ国の住居地を管轄する在外公館にて査証の発給申請をします。
査証とは
査証とは、その外国人の所持する旅券が権限ある官憲によって適法に発給された有効なものであることを「確認」するとともに、その外国人の日本への入国及び在留が査証に記載されている条件の下において適当であるとの「推薦」の性質をもつものです。
査証を所持していることはあくまでも入管法上の上陸のための要件の1つであり、入国が保証されるものではありません。査証を持っていても、上陸のための条件を満たしていない場合、日本への上陸は許可されません。
申請場所
査証は、次の場所にて申請します。
- 申請人の本国の住居地を管轄する在外公館
- 申請人が居住権をもつ国の住所地を管轄する在外公館
注記
*1. 台湾には大使館・領事館等の在外公館がなく、これに代わって「公益財団法人日本台湾交流協会」が査証発給業務を行っています。
上陸審査
到着した空港または港では入国審査官による上陸審査があり、上陸許可を受けると、日本に上陸できます。主要空港においては、その場で在留カードの交付を受けることができます。
入国審査官は、上陸申請を行った外国人が個人識別情報(指紋および顔写真)の提供義務を履行して上陸の申請をした場合、その外国人が次の条件をすべて満たすときは、在留資格と在留期間を決定し、その所持する旅券に上陸許可の証印をしなければなりません。
- 有効な旅券及び日本国領事官等が発給した有効な査証を所持していること
- 日本で行うものとして申請された活動が偽りのものでないこと
- 日本で行おうとする活動が、入管法に定める在留資格のいずれかに該当すること。また、上陸許可基準のある在留資格については、その基準に適合すること。
- 滞在予定期間が、在留期間を定めた施行規則の規定に適合すること
- 上陸拒否事由(入管法第5条)に該当しないこと
上陸審査を受けない外国人は、合法的に上陸することができません。許可を受けないまま上陸すれば、不法入国または不法上陸に該当し、退去強制の対象となるほか、刑事罰の対象となります。
在留カードの発行場所
成田空港、羽田空港、中部空港、関西空港、新千歳空港、広島空港、福岡空港等にて上陸審査を受ける場合は、入国時に在留カードが交付されます。在留カードを交付しない空港や港から入国したときは、入国後に本人が市区町村役場に届出をした住居地に在留カードが郵送されてきます。
住居地の届出
日本に上陸したあとは、住居地を管轄する市区町村役場で、住居地の登録をする必要があります。
住居地の届出期限
住居地を定めた日から14日以内、かつ上陸後90日以内に、住居地を管轄する市区町村役場で住居地の登録をおこないます。
なお、住居地の届出が義務づけられているのは在留カードが発行された中長期在留者(入管法上の在留資格をもって日本に中長期在留する外国人)のみとなります。
在留カードは3ヶ月より長い在留期間を与えられた場合にのみ発行されるため、3ヶ月以下の在留期間を与えられた場合は、住居地の届出は必要ありません。
上陸拒否事由
入管法第5条は、外国人の日本への上陸を拒否する条件を定めており、次のような類型に該当する場合は日本への入国を拒否されます。
- 保健・衛生上の観点から上陸を認めることが好ましくない者
- 反社会性が強いと認められることにより上陸を認めることが好ましくない者
- 日本から退去強制を受けたこと等により上陸を認めることが好ましくない者
- 日本の利益又は公安を害するおそれがあるため上陸を認めることが好ましくない者
- 相互主義に基づき上陸を認めない者
このように上陸拒否事由にはさまざまなものがありますが、その中の1つとして、次のことが定められています。
入管法第5条第1項第4号
「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、1年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者」
これは、1年以上の禁錮・懲役刑の判決が確定してから何年経っていたとしても無期限の上陸拒否事由となること、日本国外における禁錮・懲役刑であっても上陸拒否事由になること、及び禁錮・懲役刑の執行が猶予されて実際には刑務所に行かなかった場合でも上陸拒否事由になる、ということです。
たとえば、在留資格「経営・管理」で企業の経営活動に従事していた者が、交通事故で懲役1年執行猶予3年の有罪判決を受けた場合、無期限の上陸拒否事由に該当することになり、いったん出国すると、再入国は困難となります。
上陸特別許可
上陸拒否事由のいずれかに該当する外国人は、日本に上陸することができません。ただし、特定の事由に該当する外国人について、再入国許可その他法務省令に定める許可処分等が行われた場合、その他法務大臣が相当と認めるときには、その外国人の上陸を特別に許可(いわゆる上陸特別許可)することができるとされています。
再入国許可
再入国許可とは、日本に在留する外国人が一時的に出国し再び日本に入国しようとする場合に、入国・上陸手続を簡略化するために出入国在留管理庁長官が出国に先立って与える許可のことをいいます。
日本に在留する外国人が再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けずに出国した場合には、その外国人が有していた在留資格及び在留期間は消滅してしまいます。そうすると、再び日本に入国しようとする場合には、その入国に先立って新たに査証を取得した上で、上陸申請を行い、上陸審査手続を経て上陸許可を受けることとなります。
これに対して、再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けた外国人は、再入国時の上陸申請に当たり、通常必要とされる査証が免除されます。また、上陸後は従前の在留資格及び在留期間が継続しているものとみなされます。
再入国許可には、1回限り有効のものと有効期間内であれば何回も使用できる数次有効のものの2種類があります。その有効期間は、現に有する在留期間の範囲内で、5年間(特別永住者の場合は6年間)を最長として決定されます。
再入国許可を希望する外国人が、有効な旅券を所持していない場合であって、国籍を有していないため又はその他の事由で旅券を取得することができない場合は、再入国許可書の交付を受けることができます。
みなし再入国許可
みなし再入国許可とは、出国してから1年以内に再入国するのであれば、再入国許可の取得を不要とする制度です。みなし再入国許可の有効期間は、出国の日から1年間となりますが、在留期限が出国の日から1年を経過する前に到来する場合には、在留期限までとなります。
ただし、以下に該当する場合は、みなし再入国許可の対象とならないため、通常の再入国許可を取得する必要があります。
- 在留資格取消手続中の者
- 出国確認の留保対象者
- 収容令書の発付を受けている者
- 難民認定申請中の「特定活動」の在留資格をもって在留する者
- 日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあることその他の出入国の公正な管理のため再入国の許可を要すると認めるに足りる相当の理由があるとして法務大臣が認定する者
みなし再入国許可により出国しようとする場合は、有効な旅券(中長期在留者は旅券及び在留カード)を所持し、出国時に入国審査官に対して、みなし再入国許可による出国を希望する旨の意図を表明する必要があります。
具体的には、再入国出国記録(再入国EDカード)に一時的な出国であり、再入国する予定である旨のチェック欄が設けられているので、同欄にチェックし、入国審査官に提示するとともに、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝えます。
なお、有効な旅券と特別永住者証明書(特別永住者証明書の交付を受けていないときは、外国人登録証明書)を所持する特別永住者についても、みなし再入国許可の対象となります。特別永住者のみなし再入国許可の有効期間は、出国の日から2年間です。
おわりに
行政書士しょうじ事務所では、外国人の方が日本に入国、在留するために必要な各種の査証(ビザ)・在留資格取得(新規/更新)のためのサポートをおこなっております。
査証・在留資格の取得手続きについてお困りごとがありましたら、ぜひご相談ください。