ビザ・在留資格|日本人の配偶者等
在留資格「日本人の配偶者等」は、日本人の配偶者、日本人の特別養子または日本人の子として出生した者を受け入れるために設けられた在留資格です。
「日本人の配偶者等」の取得のための主な条件は、婚姻の事実が証明できることと、配偶者やその家族で構成する世帯全体で生計が立てられることです。申請にあたっては、偽装結婚の防止策として、2人の出会いや結婚するまでの経緯などを記載した「質問書」の提出や、2人の結婚生活の様子を写した写真などさまざまな書類や資料を入国管理局に提出する必要があります。
「日本人の配偶者等」に該当する人
「日本人の配偶者等」は、日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者、が該当します。
日本人の配偶者
「配偶者」とは、現に婚姻している者のことをいい、相手方配偶者が死亡した者または離婚した者は含まれません。また、法的に有効な婚姻をしていることが必要であり、内縁の配偶者は含まれません。
また、法律上の婚姻関係が成立していても、同居し、お互いに協力し、扶助し合って社会通念上の夫婦の共同生活を営むという婚姻の実体を伴っていない場合には、日本人の配偶者としての活動を行うものとは言えず、在留資格該当性は認められません。
配偶者の身分を有する者としての活動を6月以上行わないで在留している場合、在留資格の取消し事由になります(正当な理由がある場合を除く)。
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日本人の特別養子
特別養子縁組は、家庭裁判所の審判により成立し、生みの親との身分関係を切り離し、養父母との間に実の子とほぼ同様の関係を成立させる制度です。この制度によって、法律上の特別養子の身分を有する者が「日本人の配偶者等」に該当します。
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日本人の子
「日本人の子」とは、日本人の実子のことをいい、嫡出子のほか、認知された嫡出でない子も含まれます。
出生のときに、父または母のいずれか一方が日本国籍を有していた場合、また、本人の出生前に父が死亡し、かつ、その父が死亡のときに日本国籍を有していた場合に、「日本人の子」に該当します。
なお、子が外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれた場合は、日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼって日本の国籍を失います。父又は母や、その他の法定代理人が、子の出生の日から3か月以内に出生の届出とともに日本国籍を留保する旨の届出をする必要があります。
別居や離婚協議中の在留資格
別居や離婚協議中は、既に与えられている在留資格や在留期間に影響を与えません。ただ、在留期間更新の際には、入国管理局の担当者に事情を詳細に説明しておくのがよいでしょう。
離婚の調停や訴訟中であれば、決着がつくまで原則として日本人配偶者の資格を更新することができます。この場合、離婚調停や訴訟をしていることを証明する書類を添付して、在留期間更新をおこないます。
反対に、別居していながら調停や訴訟もしないで単に放置しておく場合は、そのあと日本人の配偶者としての在留資格の更新は難しいでしょう。
「日本人の配偶者等」で在留中に必要な届出
「日本人の配偶者等」で在留中、次のような届出を行なう必要があります。
申請・届出の種類 | 期間 | 届出・申請先 |
---|---|---|
住居地の届出 | 住居地を定めた日から14日以内 | 市区町村 |
住居地変更の届出 | 新住居地に移転した日から14日以内 | 市区町村 |
居住地以外の在留カード記載事項変更届出 (氏名、生年月日、性別又は国籍・地域の変更) | 変更を生じた日から14日以内 | 地方出入国在留管理官署 |
在留カードの有効期間の更新申請 | 有効期間が満了する日まで | 地方出入国在留管理官署 |
紛失、毀損、汚損による再交付申請、交換を希望する場合の再交付申請 | 再交付命令があった場合は、命令を受けた日から14日以内 | 地方出入国在留管理官署 |
配偶者に関する届出 (配偶者と離婚または死別したとき) | 当該事由が生じた日から14日以内 | 地方出入国在留管理官署 |
おわりに
行政書士しょうじ事務所では、外国人の方が日本に入国、在留するために必要な各種の査証(ビザ)・在留資格取得(新規/更新)のためのサポートをおこなっております。
査証・在留資格の取得手続きについてお困りごとがありましたら、ぜひご相談ください。