ビザ・在留資格|永住許可申請
永住許可は、在留資格を有する外国人が永住者への在留資格の変更を希望する場合に法務大臣が与える許可です。
永住許可
永住許可を受けた外国人は、「永住者」という在留資格で日本に在留することになります。
在留資格「永住者」は、在留活動も在留期間も制限がなく、他の在留資格と比べて大幅に在留管理が緩和されます。したがって、永住許可は通常の在留資格の変更よりも慎重に審査をおこなう必要があることから、一般の在留資格の変更許可手続とは独立した規定が設けられています。
永住許可の要件
永住許可申請をした外国人が、次のすべての要件を満たすときに限り、法務大臣は永住の許可をすることができます。
ただし、日本人、永住者または特別永住者の配偶者または子である場合には、①と②の要件は求められません。また、難民の認定または補完的保護対象者の認定を受けている者の場合には、②の要件は求められません。
- 素行が善良であること
- 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
- その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
また、上記の許可要件については、「永住許可に関するガイドライン」(令和5年12月1日改定)の中で、次のように公表されています。
素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
独立の生計を営むに足る資産または技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
- 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く)または居住資格をもって引き続き5年以上在留していること。
- 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。
- 公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに入管法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
- 現に有している在留資格について、規則別表第二に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
- 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
原則10年在留に関する特例
国益条件の1つとして「原則として引き続き10年以上本邦に在留していること」が定められていますが、これの例外として、次の場合が示されています。
- 日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること
- 「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること
- 難民の認定又は補完的保護対象者の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること
- 外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること
- 地域再生法(平成17年法律第24号)第5条第16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において、いわゆる特定活動告示第36号又は第37号のいずれかに該当する活動を行い、当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合、3年以上継続して本邦に在留していること
- 高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
- 「高度人材外国人」(ポイント計算の結果70点以上の点数を有すると認められて在留している者)として3年以上継続して本邦に在留していること
- 永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められ、3年以上継続して70点以上の点数を有し本邦に在留していること。
- 高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
- 「高度人材外国人」(ポイント計算の結果80点以上の点数を有すると認められて在留している者)として1年以上継続して本邦に在留していること
- 永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められ、1年以上継続して80点以上の点数を有し本邦に在留していること。
- 特別高度人材省令に規定する基準に該当する者であって、次のいずれかに該当するもの
- 「特別高度人材」(特別高度人材省令に規定する基準に適合すると認められて在留している者)として1年以上継続して本邦に在留していること
- 1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として特別高度人材省令に規定する基準に該当することが認められること
永住許可申請の注意点
永住許可申請の場合、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請で認められている「在留期間の特例制度」のように、審査中であれば在留期間の満了日を経過しても適法な在留を認めるという制度がありません。したがって、永住許可申請の審査中であっても、現在保有する在留資格の在留期間の満了日が経過するまでに、在留期間更新許可申請を行わないと、在留期間の満了日を経過した場合は不法残留になってしまいます。
申請後の標準処理期間は4か月となっていますが、最近の外国人からの申請増加に伴い、処理期間が長期化の傾向にあります。また、申請する入国管理局によっても処理期間が異なります。申請内容によっては6か月~1年かかることもあるので、在留期間をオーバーしないように余裕をもって申請する必要があります。
おわりに
行政書士しょうじ事務所では、外国人の方が日本に入国、在留するために必要な各種の査証(ビザ)・在留資格取得(新規/更新)のためのサポートをおこなっております。
査証・在留資格の取得手続きについてお困りごとがありましたら、ぜひご相談ください。