ビザ・在留資格|特定技能1号

在留資格「特定技能」は、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れるために設けられた在留資格で、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。

「特定技能」特有の要件として、在留資格該当性と基準適合性を判断する基準に、「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(特定技能基準省令)や産業分野ごとの運営方針や上乗せ基準告示等、詳細な基準が設けられています。

「特定技能1号」に該当する活動は、次のように定められています。

法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約(第二条の五第一項から第四項までの規定に適合するものに限る。次号において同じ。)に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であつて法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動

法務大臣が指定する本邦の公私の機関

特定技能1号の在留資格で外国人を受け入れる所属機関は、所定の諸条件を満たす機関であることが必要です。

雇用に関する契約

特定技能1号の在留資格で外国人を受け入れる所属機関は、当該外国人と「特定技能雇用契約」と呼ばれる特別な雇用契約の締結が必要です。特定技能雇用契約は、たとえば、次のような所定の諸条件を満たす契約であることが必要です。

  • 報酬額が、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること
    • 同等以上であるかどうかの判断は、受入機関に賃金規定がある場合はその規定に基づいて判断します。賃金規定がない場合で、特定技能外国人と同等の業務に従事する日本人労働者がいるときは、その日本人労働者と比較して報酬の同等性を判断することになります。賃金規定がなく、同等の業務に従事する日本人労働者もいない場合は、地方出入国在留管理局の裁量により判断されます。
  • 一時帰国を希望した場合、休暇を取得させること
  • 報酬、福利厚生施設の利用等の待遇で差別的取扱をしていないこと
  • 1つの特定所属機関における「フルタイム」(原則、労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であって、かつ、週労働時間が30時間以上)勤務であること(複数の機関で掛け持ち勤務は不可) など

特定産業分野

具体的には、介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・船用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業です。

相当程度の知識又は経験を必要とする技能

「相当期間の実務経験等を要する技能をいい、特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準のもの」をいいます。

業務

特定の産業分野に加えて、業務の内容も定められています。定められた業務に従事しないものは在留資格該当性がなく、「特定技能」の在留資格を得ることはできません。

たとえば、介護分野の業務に従事する場合であっても、訪問介護等の訪問系サービスにおける業務は1号特定技能外国人が従事する業務の対象外となっているので、訪問系サービスに従事する旨の申請をしても許可は得られません。

具体的な業務内容は、「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」の別紙1から14に産業分野ごとに定められています。

「特定技能1号」の在留資格を取得するためには、上陸基準省令「法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第1号に掲げる活動」に定められている以下の基準と第1号~第6号の基準のいずれにも適合している必要があります。

申請人に係る特定技能雇用契約が法第二条の五第一項及び第二項の規定に適合すること及び特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関が同条第三項及び第四項の規定に適合すること並びに申請人に係る一号特定技能外国人支援計画が同条第六項及び第七項の規定に適合することのほか、申請人が次のいずれにも該当していること。

第1号の基準

申請人が次のいずれにも該当していること。ただし、申請人が外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成二十八年法律第八十九号)第二条第二項第二号に規定する第二号企業単独型技能実習又は同条第四項第二号に規定する第二号団体監理型技能実習のいずれかを良好に修了している者であり、かつ、当該修了している技能実習において修得した技能が、従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合にあっては、ハ及びニに該当することを要しない。
イ 十八歳以上であること。
ロ 健康状態が良好であること。
ハ 従事しようとする業務に必要な相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること。
ニ 本邦での生活に必要な日本語能力及び従事しようとする業務に必要な日本語能力を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること。
ホ 退去強制令書の円滑な執行に協力するとして法務大臣が告示で定める外国政府又は地域(出入国管理及び難民認定法施行令(平成十年政令第百七十八号)第一条に定める地域をいう。以下同じ。)の権限ある機関の発行した旅券を所持していること。
ヘ 特定技能(法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に係るものに限る。)の在留資格をもって本邦に在留したことがある者にあっては、当該在留資格をもって在留した期間が通算して五年に達していないこと。

18歳以上であること

日本の労働法制上、法定時間外労働や休日労働等の規制なく就労が可能となるのは18歳以上であることから、本制度においても受け入れる外国人の年齢を18歳以上としています。

これは、日本入国時において18歳以上であればよく、本国において成人であるかどうかは問わないとされています。

健康状態が良好であること

「特定技能」の活動を安定的かつ継続的に行なうことが見込まれるだけの健康状態にあることが必要です。

技能を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること

特定産業分野の業務区分に対応する技能水準試験に合格することが必要です。

日本語能力を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること

ここで求められる日本語能力は、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することを基本としつつ、特定産業分野ごとに業務上必要な日本語能力です。

法務大臣が告示で定める外国政府又は地域

自国民の引取義務を履行しないなど、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の外国人(イラン・イスラム共和国の国籍を有する者)の受け入れは認められません。

5年に達していないこと

特定技能1号で在留できる期間は通算して最長5年間です。過去に「特定技能1号」で在留していた経歴がある場合はその期間も含まれます。また、失業中や育休・産休等で実際に稼働していない期間も、「特定技能1号」で日本に在留している期間として通算在留期間に含まれます。

第2号の基準

第2号は、保証金・違約金契約の禁止について定めています。

申請人又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他申請人と社会生活において密接な関係を有する者が、特定技能雇用契約に基づく申請人の本邦における活動に関連して、保証金の徴収その他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産を管理されず、かつ、特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約が締結されておらず、かつ、締結されないことが見込まれること。

申請人と社会生活において密接な関係を有する者

これに該当するか否かは、その者が金銭的な負担を負うことが、申請人が労働を強制される契機となったり、足止め策として自由に転職できないなどの要因となり得るかどうかで決まります。

金銭その他の財産

金銭だけでなく、有価証券、土地、家屋、物品等の金銭的な価値のあるものをいいます。

不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約

たとえば、次のような契約などがこれに該当します。

  • 特定技能所属機関から失踪することなど労働契約の不履行に係る違約金を定める契約
  • 次のようなことを禁止し、その違約金を定める契約
    • 労働基準監督署等への法令違反に係る相談をすること
    • 休日に許可を得ずに外出すること
    • 作業時間中にトイレ等で離席すること など

第3号の基準

第3号は、申請人の意に反して徴収されるなど不当な費用徴収を防止するため、申請人が負担する費用の額および内訳を十分に理解して合意していることを求めています。

申請人が特定技能雇用契約の申込みの取次ぎ又は外国における法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動の準備に関して外国の機関に費用を支払っている場合にあっては、その額及び内訳を十分に理解して当該機関との間で合意していること。

費用

ここにいう費用は、申請人が日本に入国するに際して、その準備のために支払った費用のことです。費用を支払った相手方は問いません。

第4号の基準

第4号は、申請人の本国において「特定技能」の活動に関して必要な許可等がある場合は、その許可等に必要な手続きを適切に行なっていることを求めているものです。

申請人が国籍又は住所を有する国又は地域において、申請人が本邦で行う活動に関連して当該国又は地域において遵守すべき手続が定められている場合にあっては、当該手続を経ていること。

第5号の基準

第5号は、第3号と同じく、費用の合意について定めています。

食費、居住費その他名目のいかんを問わず申請人が定期に負担する費用について、当該申請人が、当該費用の対価として供与される食事、住居その他の利益の内容を十分に理解した上で合意しており、かつ、当該費用の額が実費に相当する額その他の適正な額であり、当該費用の明細書その他の書面が提示されること。

費用

ここにいう費用は、申請人が入国後に特定技能所属機関等に定期的に支払うことになるものをいいます。

第6号の基準

第6号は、分野の特性に応じた基準に適合することを求めています。

前各号に掲げるもののほか、法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。

告示で定める基準

産業分野ごとに上乗せ基準(上乗せ基準告示)にも適合する必要があります。詳細については、特定の分野に係る特定技能外国人受入に関する運用要領に従うことになります。

入管法第2条の5の規定により、「特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関」、「特定技能雇用契約」、及び「一号特定技能外国人支援計画」が、「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(特定技能基準省令)に適合することが求められおり、案件ごとに特定技能基準省令に適合しているか否かをチェックすることが必要です。

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